2025/05/14

Taiwan Today

文化・社会

「赤道二三五・東南アジア文学フォーラム」、台湾3都市で

2018/03/01
文化部(日本の文部科学省に類似)が初主催する「赤道二三五・東南アジア文学フォーラム(SEA Literature Forum in Taiwan)」が3月2日から6日まで、台湾北部・台北市、台湾南部・台南市、台湾中部・台中市で順次開催される。タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、インドネシアなど東南アジアの作家6名が台湾の読者と対面する。(「赤道二三五・東南アジア文学フォーラム」フェイスブックページより)
文化部(日本の文部科学省に類似)が初主催する「赤道二三五・東南アジア文学フォーラム(SEA Literature Forum in Taiwan)」が3月2日から6日まで、台湾北部・台北市、台湾南部・台南市、台湾中部・台中市で順次開催される。
 
「赤道二三五」とは、台湾を走る北回帰線(北緯23.5度)を起点とし、赤道(北緯0度)まで南下する一帯を意味する。この2つの虚構のラインの間で暮らす各地の作家たちは、似たような歴史を経験し、同じような海洋文化という空気を吸って生きながら、自分たちの生活を描き出し、作品としている。
 
文化部は「赤道二三五・東南アジア文化フォーラム」を実施するに当たり、東南アジアの作家6名の作品を選出し、繁体字中国語に翻訳した上で、製本したものを台湾で無料配布している。また、2017年から「点読東南亜読本翻訳計画」、「作家指南逐談」、「移動説書人」など一連の事前イベントを実施している。3月2日から6日まで台湾3都市で開催されるフォーラムでは、これら東南アジアの作家6名が台湾へやって来て、ついに台湾の読者と対面することになる。
 
「赤道二三五・東南アジア文化フォーラム」では、7つの分科会と1つの円卓会議が行われる。また、文化部の招待を受けてタイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、インドネシアから作家6名が台湾へやって来る。これらの作家は、「戦後の記憶(Postwar Memory)」、「南の島の視点(Southern Perspective)」、「熱帯地域から見た文学的景観(Literary Landscapes from the Tropical)」の3つをテーマに、自身の作品について語る。また、進行役やスピーカーとして参加する甘耀明氏、房慧真女史、張亦絢女史、瓦歴斯・諾幹(ワリス・ノカン)氏、鍾文音女史、葉覓覓氏、李長青氏など台湾近代文学の作家らと対談する。台中会場(3/6)で行われる円卓会議では「共有する熱帯(Shared Tropical)」をテーマに、東南アジアの作家と台湾の文学出版関係者が、台湾と東南アジアの文学や出版状況について議論する。そして、自分たちが身を置く国の社会や文化の文脈から、それぞれの経験や現状について情報を共有し、将来の文学作品の執筆と出版における役割と、それによって生まれる可能性などに思いを馳せる。
 
今回招待を受けて台湾を訪れる東南アジアの作家は以下のとおり。
 
ベトナム:バオ・ニン(Bao Ninh)さん
インドネシア:アユ・ウタミ(Ayu Utami)さん
タイ:プラープダー・ユン(Prabda Yoon)さん
フィリピン:Carlomar Arcangel Daoanaさん
マレーシア:Norazimah Abu Bakarさん
ミャンマー:Nay Phone Lattさん
 
なお、タイのプラープダー・ユンさんは、過去に「東南アジア文学賞(S.E.A Write Award)」を受賞している。フィリピンのCarlomar Arcangel Daoanaさんは、フィリピンで最も重要な文学賞である「Carlos Palanca Memorial Awards for Literature」を受賞している。マレーシアの女流詩人であるNorazimah Abu Bakarさんは、女性作家の活躍を奨励するマレーシアの「Srikandi NUMERA Award」を受賞している。ミャンマーのNay Phone Lattさんは今回の最年少。米雑誌『TIME』の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたことがあるほか、国境なき記者団の「Reporters Without Borders' Cyber-dissident Award」や、「PEN/Barbara Goldsmith Freedom to Write Award」などを受賞している。
 

ランキング

新着